健康診断は“異常なし”なのに危険!? 数値だけでは見えない病気のサイン
- サクマ マサヒロ
- 8月11日
- 読了時間: 3分
「健康診断で異常なしだったから大丈夫!」
そう信じていた人が、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中に…。
これは珍しい話ではありません。
アメリカでは、心筋梗塞を起こした人の約50%はコレステロール値が正常範囲だったという報告があります。
日本でも、筑波大学などの研究で「コレステロール正常群でも心疾患は起こる」という結果が示されています。

では、なぜ検査で“正常”の人に病気が起こるのでしょうか?
1. 数値はあくまで「一部の指標」にすぎない
血液検査や健康診断は、刻々変化する体のごく一部の状態を“静止画”のように切り取ったものです。
しかし、病気のリスクは、血管の炎症状態や酸化ストレス、ホルモンバランス、腸内環境など、数値には現れにくい要因にも左右されます。
実際にあった例を紹介すると、
【実例】コレステロール値は正常、でも心筋梗塞に
50代男性、営業職。
健康診断ではLDLコレステロール値は基準内。
しかし日常的なストレスと睡眠不足が続き、歯周病も放置。
ある日、出張先で胸の痛みに襲われ救急搬送、急性心筋梗塞と診断。
原因は、慢性炎症と酸化ストレスによる血管ダメージでした。
2. 心筋梗塞とコレステロールの意外な関係
実際の研究では、コレステロール値が高くなくても心筋梗塞になる人が多くいます。
その背景には、
・慢性炎症(歯周病、腸の炎症など)
・酸化LDL(酸化された悪玉コレステロール)
・血糖値スパイク(血糖の急上昇)
といった「数値では見えないリスク」があります。
つまり、コレステロールの“量”よりも“質”や“酸化の有無”が重要なのです。
3. 他にもある「数値の常識が当てはまらない」例
✅ 血糖値が正常なのに糖尿病予備軍
空腹時血糖が正常でも、食後血糖値が急上昇している「隠れ高血糖」があります。
【実例】空腹時血糖は正常、でも糖尿病予備軍
40代女性、専業主婦。
健康診断では空腹時血糖は正常値。
しかし「午後になると強い眠気とだるさ」が頻発。
後に食後2時間血糖を測定したところ、180mg/dL超の高血糖が判明。
空腹時だけでは見抜けない「隠れ高血糖」だった。
この場合、食後の血糖変動を見る「食後2時間血糖」や「HbA1c」のチェックが重要となります。
✅ 血圧が正常なのに脳卒中リスク大
“夜間高血圧”や“早朝高血圧”は通常の診察時に見つかりにくく、脳血管障害の原因になることがあります。
この場合、家庭での血圧測定や24時間血圧測定を行うことで見つけやすくなります。
✅ 骨密度が正常でも骨折する
骨の強さは骨密度だけでなく“骨質”も大事。
骨質は、コラーゲンの質と量、骨の微細構造、骨代謝のバランスなどで決まります。
コラーゲンの劣化や骨の微細構造が弱っていると骨折リスクは高まります。
多くの人は健康診断結果を見ても「異常なしならOK」で終わります。
しかし実際には、数値の“裏”を読み解き、生活習慣や体質に合わせて改善策を組み立てる視点が必要です。
「正常値=安全」ではありません。
この事実を知ることが、健康寿命を延ばす第一歩です。
健康診断結果の裏を読み解く力を持ち、気づきにくい病気のサインを見つけて対処法をアドバイスできる知識と経験があり、生活習慣などの改善をサポートできるヘルスケアコーチの存在が、きっとあなたの強い味方になります。
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