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神経の炎症がもたらす3つの大きなリスクとは?

  • 執筆者の写真: サクマ マサヒロ
    サクマ マサヒロ
  • 9月1日
  • 読了時間: 4分

最近「もの忘れが増えた」「気分が落ち込みやすい」「慢性的に体調がすぐれない」と感じていませんか?


その背景には、脳や神経で起こる“神経炎症”が隠れている可能性があります。


神経炎症とは、脳や神経細胞で起こる慢性的な炎症反応のことです。


感染や外傷だけでなく、加齢・生活習慣の乱れ・ストレス・腸内環境の悪化などによっても起こります。


放置すると、健康寿命を縮める大きなリスクにつながります。


今回は「神経炎症がもたらす3つのリスク」と「神経炎症の悪循環を止める5つのセルフケア」についてお伝えします。


■ 神経の炎症がもたらす3つのリスク


1. 認知症のリスクを高める


アルツハイマー病などの認知症は、脳内の慢性的な炎症と深く関係しています。


脳に老廃物(アミロイドβなど)が溜まるとミクログリアという免疫細胞が活性化し、炎症物質を放出します。


その結果、神経細胞がダメージを受けて記憶を司る海馬が萎縮してしまいます。


実例①

70代女性。

血糖コントロールが不十分で、食生活も偏りがち。

もの忘れが増えたため検査したところ、軽度認知障害(MCI)と診断されました。

食事改善と運動習慣を取り入れたところ、炎症性マーカーが低下し、認知機能も安定しました。


炎症性マーカーとは、CRP、IL-6、赤沈などの炎症が起きているときに血液中で増える指標のことです。


神経炎症を抑えることは、認知症予防=健康寿命の延伸につながります。



2. うつ病やメンタル不調を招く


うつ病は「心の病気」と思われがちですが、近年の研究で脳の炎症性疾患でもあることが分かってきました。


ストレスや睡眠不足で炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-1β、IL-6などの免疫細胞が分泌する炎症を起こすメッセージ物質)が増えると、セロトニンドーパミンといった「幸せホルモン」の働きが阻害されます。


その結果、気分の落ち込みや意欲低下につながります。


実例②

40代男性

長時間労働と睡眠不足が続き、気分が落ち込むようになる。

血液検査では炎症性マーカーが高値。

生活習慣を整えると気分が改善し、仕事への意欲も戻りました。


炎症対策は、メンタルヘルスの安定にも直結します。



3. 慢性痛や体の不調を長引かせる


神経炎症は「脳」だけでなく「体の神経」にも影響します。


末梢神経が炎症を起こすと、しびれ・痛み・自律神経の乱れなどが続きやすくなります。


実例③

糖尿病歴のある60代男性。

手足のしびれが悪化し、歩行も困難になる。

末梢神経の炎症と診断されました。

食事改善と運動で血糖を安定させると炎症が軽減し、しびれも改善しました。


炎症は“体の回復力”を邪魔し、慢性不調を固定化させます。



神経の炎症がもたらすリスク
神経の炎症がもたらすリスク


■神経炎症の悪循環を止める5つのセルフケア


神経炎症は言わば「小さな火事がずっと消えない状態」です。


その悪循環を止めるために有効な習慣としてまとめました。


①食事:オメガ3脂肪酸(青魚・亜麻仁油)、ポリフェノール(ベリー類・緑茶)、発酵食品や食物繊維で腸内環境を整える。


②運動:有酸素運動や筋トレで血流を改善し、BDNF(脳由来神経栄養因子)を増やして神経修復をサポート。


③睡眠:深い眠りで脳の老廃物をデトックス。寝る前のスマホやカフェインを控える。


④ストレス管理:マインドフルネス、呼吸法、入浴などでコルチゾールの乱れを調整。


⑤社会的つながり:孤独は炎症を強める。家族・友人・趣味のコミュニティを大切に。



まとめると、神経炎症は、認知症、うつ病・メンタル不調、慢性痛や体の不調

といった健康寿命を縮める3大リスクをもたらします。


しかし、食事・運動・睡眠・ストレス管理・社会的つながりといった日々の習慣で炎症の悪循環を断ち切ることが可能です。


とはいえ、「何をどこから始めればいいのか分からない…」という方も多いのではないでしょうか。


そんなときは、専門家と一緒に自分に合った習慣を見つけることが近道になります。


私が行っているヘルスケアコーチングの講座では、予防医学的な視点をベースに、あなたに合った“脳と体を守る生活習慣”を一緒にデザインしています。


気になる方はお気軽にご相談くださいね。




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