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その不調、小麦のせいかも? グルテンと腸・免疫の意外な関係

  • 執筆者の写真: サクマ マサヒロ
    サクマ マサヒロ
  • 7月18日
  • 読了時間: 3分

更新日:7月20日

「小麦をやめただけで体が楽に…」そんな話、聞いたことありませんか?


パンやパスタをよく食べる人が、ある日突然こんな変化を体感したと言います。


「なんとなく体が軽い」

「肌のかゆみが減った」

「朝の手のこわばりが気にならなくなった」

「鼻炎が出にくくなった」


…実はそれ、「気のせい」ではないかもしれません。


小麦に含まれる「グルテン(gluten)」が関係している場合があるのです。


グルテンは、小麦・大麦・ライ麦に含まれるたんぱく質の一種です。


もっちり・ふわふわのパンや麺を作るのに欠かせません。


しかし一部の人にとっては、グルテンが腸のバリア(タイトジャンクション)を傷つける原因になります。


健康な腸であれば、腸の細胞同士を強く結びつけるタイトジャンクションが、腸のバリアとして異物の通過を阻止します。


腸のバリアが壊れると、本来吸収されないはずの異物(未消化物や毒素)が体内に漏れ出す状態=リーキーガットが起こります。


腸は免疫細胞の70%以上が集中する「免疫の司令塔」でもあるのです。


そこに異物が入ると、免疫は「敵が来た!」と戦闘モードになるのです。


問題は、その敵が自分の体の細胞の構造と似ている場合です。


この「似ているせいで間違って攻撃してしまう」ことを「分子相同性(Molecular Mimicry)」といいます。


たとえば、グルテンに反応した免疫が、関節・皮膚・甲状腺などの細胞も「敵だ!」と誤認してしまう。


その結果、関節リウマチ・アトピー・橋本病などの自己免疫疾患が発症・悪化する可能性があるのです。


テニスプレーヤーのジョコビッチ選手は、彼の著書『ジョコビッチの生まれ変わる食事~あなたの人生を激変させる14日間プログラム』の中で、自らセリアック病であることを公表し、「グルテンフリー」という食事法を取り入れたところ、パフォーマンスを驚異的に向上させることができたことを紹介し、グルテンフリーが一躍脚光を浴びることになりました。


セリアック病とは、グルテンが体内に入ると、敵が侵入してきたと勘違いして、自らの小腸を傷つけてしまう自己免疫疾患の一つで、小腸の絨毛が損傷するため栄養が吸収できなくなる病気です。


また、40代のある女性は、朝はパン、昼もパスタが定番で、いつも疲れやすく、手足の冷え・鼻炎・湿疹に悩んでいました。


グルテンフリー生活を1ヶ月取り組んだところ、


✅ 鼻がすっきり通る

✅ 肌のかゆみが減る

✅ 朝の目覚めが楽になった


…などの変化を実感したのです。


このように、腸から入った異物により免疫が誤作動を引き起こすと、自己免疫疾患やアレルギー症状につながる可能性があるので、グルテンなどの腸のバリアを壊す原因はなるべく避けた方が良いのです。


日本人ではセリアック病は非常に稀ですが、グルテン過敏症の人は数%程度いるようです。


小麦アレルギーの人も稀ですが存在し(成人よりも子どもに多い)、グルテンそのものよりも、小麦全体のたんぱく質に反応して即時型アレルギーを引き起こします。


腸内環境が悪化している場合も、グルテンの分解不全から腸漏れを起こし、免疫反応が起こりやすくなります。


このグルテンにアレルギーを持つ人や、分解・消化する酵素を持たない(または弱い)人は、パン・パスタ・うどんを米・玄米・そばへ切り替えてみることが腸ケアになります。


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